はじめに

「ボトルを交換したら周りが濡れていた」「セットした直後に水がにじんでくる」——こうしたトラブルで悩んでいる方は多いです。

 ボトル差し込み口からの水漏れは、出水口に次いで多いウォーターサーバーのトラブルです。しかもボトル内の水が大量に漏れ出すこともあるため、注意が必要です。

 この記事では、元設計者のDr.ゴリポンがボトル差し込み口で水漏れが起きる理由と、ユーザーにできる予防策をわかりやすく解説します。

【原因】なぜボトル差し込み口で水漏れが起きるのか

出典:郡上の天然水ホームページ

 出水口に次いで多いのが、「ボトル差し込み口」からの水漏れです。特にボトル交換時や交換直後に発生しやすく、「ボトル周辺が濡れている」「セットした直後に水がにじむ」といった症状がよく見られます。ボトル差し込み口の水漏れは大量な水漏れを招くため、メーカーでもかなり注意して設計・検証されています。

 ボトル差し込み口は、水を密閉するための重要な部分である一方で、ユーザーがある程度繰り返し着脱することを前提にした構造になっています。

つまり設計上、

  • 密閉性を高くしたい
  • でも簡単に交換できるようにしたい

という、相反する条件を両立させる必要がある場所です。

 このため、どうしても「密閉の余裕」が少なくなり、使い方や部品の状態によって水漏れが発生しやすくなります。

 シールはパッキンなどは使用されておらず、受水棒とキャップの樹脂同士が面でシールされています。樹脂は温度変化により柔らかくなったり、固くなったりするのでとても難しい設計になります。

 また、ボトルのキャップはメーカーごとに数種類あり、規格が統一されていません。よって、新しいウォーターサーバーを設計する際は、どのボトルキャップを使うか決めてから受水棒の部分を設計します。既存機種がある場合は、そのままコピーしますが、樹脂成形部品なので微妙な寸法の違いが生じて漏れる場合が多く、評価をしながら微調整するケースもあります。

このような難しい設計が必要となるため、漏れが発生しやすくなります。

ボトル差し込み口の水漏れ:主な原因5つ

ボトル差し込み口の水漏れは、主に以下のような原因で発生します。

①ボトルのセット不良(最多)

 ボトルが完全に差し込まれていない状態だと、わずかな隙間から水がにじむことがあります。特にボトルが重いので、どうしても斜めから差し込むことが多く、最後まで差し込めず水漏れになるケースもよく見られます。

②ボトル側の変形や個体差

 ボトルは樹脂製のため、保管状態や温度によってわずかに変形することがあります。これにより、密閉が甘くなるケースがあります。

③キャップシールの剥がし忘れ

 ごく稀ですが、キャップに着いているシールを剥がし忘れるケースもみられます。シールが着いたまま無理やり差し込むと最後まで差し込めず水漏れします。

④中栓の外れ(要注意)

 ボトルを何度か抜き差しすると、中栓が抜けることがあります。中栓はボトルを差すと受水棒の上部に固定され、抜く時にボトルのキャップに固定されます。稀にボトルを差した直後に受水棒に中栓が固定されないことがあります。この時、ボトル内に水が残った状態でボトルを引き抜くと周辺に大量の水を撒き散らします。

 ボトルを抜く際には特に注意しましょう!

Dr.ゴリポン

中栓抜けは、数回のボトル脱着で起こるとこもあるので要注意じゃぞ!これまで何度となく水を撒き散らしたことがあるけど、いつもパニックじゃ💦

⑤ボトルの破れ

 柔らかいタイプのボトルは段ボール箱に入っていますが、取り出す時に注意が必要です。ボトルを箱から取り出す時に上方向から取り出すと、破れることがあります。重たいので勢いよく持ち上げたくなるので、余計にボトルに力が加わって破れにつながります。

 破れても気づきにくく、そのままボトルを差してどんどん水が溢れてくるので、大量な水漏れにつながります。

 箱からボトルを取り出す時は動画を参考に横方向から取り出し、持ち手を持って持ち上げることをオススメします。

【対処方法】ボトル差し込み口の水漏れ

ボトル差し込み口の水漏れは、比較的ユーザー側で対処できるケースも多いです。

  • ボトルをできるだけ真っ直ぐ差し込む
  • 差し込んだ後は左右に軽く揺らして奥までしっかり入れる
  • キャップのシールを剥がしてあるか確認する
  • ボトルを抜く前に中栓が受水棒についているか確認する
  • 箱からボトルを取り出す時は横方向からスライドして取り出し、持ち手を持って運ぶ

 これらを行うことで防げる場合があります。正しい取り扱いをしても繰り返し漏れる場合は、宅配水事業者に連絡しましょう。

構造的に安心できるウォーターサーバー

PREMIUM WATER AURA

出典:PREMIUM WATERホームページ

このウォーターサーバーがリリースされた時は、設計者としてとても驚きました。GOOD DESIGN賞を受賞しており、デザインも素晴らしいですが、もっとすごいことが・・・

出典:PREMIUM WATERホームページ

 ボトルの設置位置がウォーターサーバーの下部であり、なんと、ボトルキャップを上向きの状態のままセットできるため、ボトル差し込み口から漏れることはまずありません。

 もちろん発想としては考えたことはありますが、技術的なハードルが高すぎて断念したので、すごい技術力だと感心しました。ボトルからの漏れに関しては、間違いなく構造的に安心できるタイプのウォーターサーバーと言えます。

FRECIOUS dewo ii

出典:FRECIOUSホームページ

このウォーターサーバーもデザイン性が高く、GOOD DESIGN賞を受賞しています。

 このウォーターサーバーは、ボトルを採用していません。独自の技術を採用し、水を充填した水パックにニードル(太い針みたいな受水部)を差してウォーターサーバーの中に水を給水します。水パックは上部のケースに収められているため、水が外部に漏れることはありません。よって、このウォーターサーバーも構造的に安心できるタイプと言えます。

出典:FRECIOUSホームページ
Dr.ゴリポン

水パックはボトルのように取り外しができないので注意が必要じゃぞ!

FRECIOUS dewo ii のホームページはこちら

まとめ

対処方法

  • ボトル差し込み口の水漏れは取り扱い方で予防できることが多い
  • 最多原因は斜め差し込み(セット不良)
  • 中栓の外れは大量漏れにつながるため要注意
  • 正しい取り扱いをしても繰り返し漏れる場合は宅配水事業者に連絡を

構造的に安心できるウォーターサーバー

  • PREMIUM WATER AURAはボトルキャップを上向きのままセットできる構造で、ボトル差し込み口からの漏れが起きにくい
  • FRECIOUS dewo iiはボトル不使用・水パック方式のため、ボトル差し込み口の水漏れリスクがない
  • 水漏れが心配な方は構造的に漏れにくいサーバーへの乗り換えも選択肢のひとつ

 ボトル周りの水漏れは、ユーザーの取り扱い次第で防げることが多いです。ただ、大量な水漏れに発展するケースも多いので、どうしても水漏れが心配な方は構造的に漏れにくいサーバーへの乗り換えも選択肢のひとつです。

 次回は配管ジョイント部の水漏れについて解説します。ではまた。