【元設計者が選ぶ】お湯の使い方で決める、ウォーターサーバーのおすすめ
「お湯が足りなくならないかな」「どのウォーターサーバーが自分の暮らしに合うのかな」。買う前は、そんな迷いが出るものです。お湯の使い方で、選ぶ機種は変わります。
結論からいうと、お湯をためる「貯湯式」は、3つの使い方に分けると選びやすくなります。少しずつなら「小さめタンク」、続けて使うなら「大きめタンクと再加熱の速さ」、たっぷり使うなら「大きいタンクと、ケトルの併用」です。そして、湯温を安定させたい人には、使うときに沸かす「瞬間式」という、もう一つの選択肢があります。
この記事では、ウォーターサーバーの設計と評価に関わってきた元設計者が、おすすめの機種と、そう考える理由を説明します。機種ごとのヒーターのワット数(W)を入れて、お湯を温める時間の違いも、図でやさしく解説しました。
お湯の量は、タンクの大きさだけでは決まらんのじゃ。ヒーターのワット数も、大事なポイントじゃぞ!
- お湯の使い方で選ぶ、4つのタイプ
- タイプ別の、おすすめ機種と料金
- ヒーターのワット数で変わる、お湯を温める時間
- 小さいタンクと大きいタンクの違い
- 瞬間式のよいところと、気をつけたいところ
- 買う前に聞くことと、実機で試すこと
- 【公式情報】メーカーや業界団体の資料に書かれていること(2026年10月確認)
- 【設計者の経験】【設計者の見解】私の経験と意見です(機種や社名は非公開)
- 【計算例】条件を置いた計算で、実測ではありません
- ラベルのない説明は、一般的な理屈です
- 通常時の制御(保温)は、約80〜85℃
- 再加熱は、約90℃(再加熱のスタートは80℃)
- 実際の温度は機種によって違いますが、比べやすいように、この記事では上の温度にそろえ比較しています
- 瞬間式は、保温も再加熱もないため、この前提の対象外です

結論|使い方別のおすすめ

ここでは、お湯をためる貯湯式を、使い方別の3タイプで紹介します。表には、ヒーターのワット数(仕様表の「定格消費電力」のこと)も載せました。ワット数が大きいほど、お湯を温める時間は短くなります。機種ごとの連続出湯の性能は公表されていないため、順位ではなく、公式の仕様から見た相性の目安です。
少しずつ使う人|小さめタンク
一人暮らしで、コーヒーやスープを数杯。間をあけて使う人は、タンクが小さめの機種がおすすめです。保温するお湯が少なく、電気代を抑えやすいためです。
| 機種 | 方式 | 温水タンク容量 | ヒーター 容量 | 再加熱 | 月額 (税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| エブリィフレシャス mini | 浄水 | 0.9L | 200W | なし | 3,300円 |
| クリクラ putio | 浄水 | 1.0L | 300W | あり(約85〜87℃) | 3,140円〜 |
※表は左右にスクロールできます。月額の条件については、公式サイトをご確認ください
ただし、エブリィフレシャス miniのヒーターは200Wと弱めで、再加熱もありません。続けて何杯も使う人には向きません。少しずつ使い、待てるなら、のちほど紹介する瞬間式も選べます。
続けて使う人|大きめと再加熱
家族3〜4人で、何杯も続けて使う人は、温水タンクが1.3〜1.5Lで、再加熱が使え、ヒーターのワット数が大きい機種を選びましょう。再加熱で温度が戻る速さが、待ち時間を決めるためです。
| 機種 | 方式 | 温水タンク容量 | ヒーター 容量 | 再加熱 | 月額 (税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| フレシャス Slat | 宅配水 | 1.5L | 430W | あり(約90℃) | 3,254円 |
| フレシャス dewo ii | 宅配水 | 1.5L | 350W | あり(約90℃) | 4,992円 |
| エブリィフレシャス tall | 浄水 | 1.5L | 350W | あり(約90℃) | 3,300円 |
| ハミングウォーター flows | 浄水 | 1.3L | 350W | なし | 3,410円 |
※表は左右にスクロールできます。月額の条件については、公式サイトをご確認ください
ヒーター容量や温水タンク容量が平均的な分類になります。
同じ1.5Lでも、フレシャス Slatは430Wで、ほかの機種の350Wより約2割早く温められます。
たっぷり使う人|大きいタンクと併用
料理にも使う、ミルクを作るなど、まとまった量が必要な人は、温水タンクが大きめの機種を選びます。ただし、どの機種も、鍋いっぱいのお湯を一度にまかなうことは難しいため、電気ケトルやお鍋との併用がおすすめです。
| 機種 | 方式 | 温水タンク容量 | ヒーター 容量 | 再加熱 | 月額 (税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| プレミアムウォーター スリムサーバー4(ロング) | 宅配水 | 1.8L | 350W | なし | 4,190円 |
| Locca Smart | 浄水 | 1.8L | 350W | あり(約90℃・約2分) | 3,300円 |
※表は左右にスクロールできます。月額の条件については、公式サイトをご確認ください
どちらも温水タンクは1.8Lで、ほかの機種より大きめです。大きなタンクは、お湯を保つ電気代が多めになります。使う量がそれほど多くない日が多いなら、無理に大きなタンクを選ばないほうがよい場合もあります。
結論|もう一つの選択肢は瞬間式

瞬間式は、お湯をためず、使うときに水を温めて出す方式です。貯湯式とは、お湯の出方が大きく違います。待ち時間がなく、湯温を安定させたい人は、瞬間式も選択肢になります。よいところと、気をつけたいところを、あわせて確認しましょう。
湯温が下がりにくい瞬間式
貯湯式は、続けて使うと、タンクの湯温が下がります。瞬間式は、タンクがないため、この湯温の下がり方がありません。使うたびに温めるので、再加熱を待つ必要もありません。

【設計者の見解】瞬間式は、湯温を保つように出る量を調整するから、湯温が下がりにくいのじゃ。そのかわり、出水スピードは遅くなるぞ。
【公式情報】ウォータースタンドアイコン(CHP-7211N)の取扱説明書には、出湯量を約120mL・約180mL・約300mL・3分連続から選べると書かれています。連続して出したときの湯温は、確認した範囲では書かれていません(取扱説明書)。
気をつけたいのは出るスピード
湯温を保つかわりに、出るスピードがゆっくりになります。瞬間式は、お湯をためずに、通る水をその場で温めるため、タンクの容量は関係ありません。ただし、ヒーターのワット数で温められる水の量には、上限があります。水が冷たい冬ほど、少しずつしか出せません。

【計算例】1,460Wをすべて加熱に使えたとしても、冬の水なら1分に出せるのはコップ約1杯ぶんが上限です。実際は熱の損失があるので、これより少なくなります。
【設計者の見解】瞬間式のよいところは、使った分だけの電気代じゃ。わるいところは、出水スピードの遅さじゃな。ウォータースタンドも、おすすめには入るが、出水スピードが遅いことはデメリットなのじゃ。
瞬間式が向いている人
次のような人は、瞬間式を検討してみる価値があります。
- コーヒーなど、1杯ずつ使うことが多い
- 再加熱の待ち時間が気になる
- お湯を使った分だけ電気代がかかるほうがよい
- 出るスピードがゆっくりでも、待てる
| 機種 | 方式 | 温水タンク容量 | ヒーター 容量 | 再加熱 | 月額 (税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| ウォータースタンド アイコン | 浄水 (水道直結) | なし (瞬間式) | 1,460W | なし | 4,400円 |
※表は左右にスクロールできます。月額の条件については、公式サイトをご確認ください
早く欲しい人には、向かない場合があります。その場合は、貯湯式の大きめタンクを選びましょう。
理由|そのタイプを選ぶ訳

タイプを分けた理由は、お金と待ち時間にあります。電気代・戻る速さ・ヒーターのワット数の3つが、機種の向き不向きを分けるからです。それぞれ、図と設計者の経験で説明します。
電気代は小さいタンクが有利
お湯を保つには、タンクの水を温かく保ち続ける電気が必要です。タンクが大きいほど、その量は多くなります。使わない時間も電気がかかるのが、大きいタンクの弱点です。

【設計者の経験】大きいタンクのいちばんのデメリットは、電気代じゃった。使わない時間も、たくさんの水を温かく保つからじゃ。
なお、「小さいタンクのほうがすぐ適温になる」という説明を見かけますが、正確ではありません。タンク全体を温める時間は短い一方で、1回使ったときの湯温の下がり幅は、小さいタンクのほうが大きくなります。
各社の電気代の比べ方は、電気代の記事で詳しく解説しています。
続けて使うなら戻る速さが大切
続けてお湯を使うと、タンクの湯温が下がります。そこで再加熱を使うと、約90℃まで高められます。その再加熱が終わるまでの時間が、そのまま待ち時間です。時間は、ヒーターのワット数とタンクの大きさしだいです。
【設計者の経験】お客様の声で多かったのは、「再加熱に時間がかかる」という声じゃった。再加熱の速い機種や、待ち時間のない瞬間式は、使う人に喜ばれると思うぞ。

グラフからも温める時間は、タンクの水の量が多いほど長くなり、ワット数が大きいほど短くなります。再加熱の待ち時間は、ヒーターのワット数とタンクの大きさの両方で決まるのです。ただし、これはあくまで再加熱の時間の話です。タンクが小さいと、1回使ったときの湯温の下がり幅は大きくなるので注意が必要です。
ヒーターのワット数で待ち時間が変わる
ヒーターのワット数(W)は、仕様表の「定格消費電力」のことです。数字が大きいほど、同じお湯を早くつくれます。再加熱のスタートを80℃として、1Lのお湯を90℃にする場合で考えてみましょう。
- 水1Lを1℃上げるのに必要な熱は、約4,200ジュール(J)
- ワット数は、1秒に出せる熱のこと。350Wなら、1秒に350J
- 1℃上げる時間(秒)= 4,200 ÷ ワット数
【計算例】350Wなら、1℃上げるのに約12秒。80℃から90℃までの10℃で、約2分です。430Wなら、1℃で約10秒、10℃で約1分37秒。430Wのほうが、約22秒(約2割)早く温まります。

※熱の損失はゼロと仮定した理論値です。実際はこれより時間がかかります
【公式情報】ヒーター(温水)の消費電力は、公式の仕様で、mini 200W、putio 300W、Slat 430Wです。tall・dewo ii・Locca Smart・スリムサーバー4・flowsは、350Wと公表されています。機種を選ぶときは、タンクの大きさと、ヒーターのワット数の両方を見ましょう。
理屈|お湯の温度が下がる仕組み

ここからは、「なぜお湯がぬるくなるのか」を、元設計者がやさしく説明します。お湯は、水に熱を足してつくります。その熱を出す速さは、ヒーターのワット数で決まるのです。ここでは、貯湯式を中心に説明します。瞬間式の仕組みは、前の章で説明しました。図を見ながら、順番に読んでください。
貯湯式|ヒーターと配管の位置
湯温の下がり方は、タンクの中の構造でも変わります。温まっていない水がどこに入り、ヒーターがどこにあるかが、層のできやすさに関わるためです。

【設計者の経験】関わった貯湯式(機種は非公開じゃ)では、ヒーターは温水タンクの下側にあったのじゃ。冷水タンクのセパレーターの上の水が、温水タンクの下付近まで届く配管から入る構造で、お湯の出口は上側じゃった。水を使うと、ヒーターの下のあたりの温度が下がっていく。層を作ることを狙ったわけではないが、層になりやすい構造だったと考えておる。
貯湯式|タンクの中で起きること
貯湯式は、お湯をタンクにためておく方式です。お湯を出すと、同じ量の水が補給されて、タンクの温度が下がります。水が混ざるほど、湯温は大きく下がります。

図の上と下は、理想の2つの場合です(保温が約85℃のときの計算例)。実際の機種は、その間のどこかになります。
【設計者の経験】経験上、タンクの中は、層になる傾向がかなり強いのじゃ。ただ、ある杯数目に、いきなり温度ががくんと落ちるわけではない。3〜4杯目あたりから少しずつ混ざって(拡散して)、湯温がじわじわ下がっていくイメージじゃ。
貯湯式|連続して出したときの回復
お湯を続けて出すと、そのたびに水が補給されて、タンクの湯温が下がります。下がった湯温が戻るまでの時間が、待ち時間になります。
【設計者の経験】連続して出す試験もやったぞ。何杯目で基準を下回るかを確認し、回復時間のデータも取ったのじゃ。ヒーターの回復は比較的早いが、冷水はかなり時間がかかる印象じゃった。
確認|買う前に聞く・試すこと

ここまでの話を、機種選びに活かしましょう。仕様表だけでは分からないことは、メーカーに聞くか、実機で確かめるのが確実です。ここでは、聞くときのポイントと、実機の確かめ方をまとめます。
仕様表にあること・ないこと
【公式情報】業界団体JDSAのガイドラインは、温水タンクの容量を「貯水又は出水可能な量」と定め、それぞれの温度で出せる量は「規格は定めず」としています(JDSAガイドライン)。そのため、仕様表には容量と温度は載っても、連続で出せる量は載りにくいのです。
表示温度とカップの温度は違う
お湯の温度には、設定温度、センサーの温度、注ぎ口の温度、カップの中の温度の4つがあります。途中で熱が逃げるため、カップの中の温度がいちばん低くなります。

【設計者の経験】センサーと実際の温度には、明確な差があるのじゃ。センサー自体の誤差に加えて、出水口までの放熱もあるからじゃ。評価のときは、JDSAの基準に準拠して、最初の50mLは捨ててから、続く150mLを測っておった。1杯目は、配管の残り水とカップへの放熱がかなり影響するからじゃ。
確かめ方|メーカーへの質問と実機
問い合わせるときは、次の4つを聞くと、使い方に合うかを判断しやすくなります。条件(室温・水温・杯数)をそろえて聞くのがコツです。
| メーカーに聞くこと | わかること |
|---|---|
| 続けて出すと、何杯目まで○℃以上ですか(室温・水温の条件つき) | 続けて使えるか |
| 再加熱で約90℃になるまで、最長で何分かかりますか | 再加熱の待ち時間 |
| ECOモード中のお湯は、何℃ですか。通常の温度にもどるまでどのくらいかかりますか | 節電設定の影響 |
| (瞬間式)連続で出すと、湯温と出る量はどうなりますか | 出る速さと湯温の関係 |
【設計者の見解】ただ、温度の細かい数字は、メーカーに聞いても答えてもらえない可能性があると思うのじゃ。聞けても、取扱説明書に書いてある程度の、あいまいな回答になりそうじゃな。
いちばんよいのは、実機で確かめることです。ショッピングセンターなどの展示で、試飲やお湯を出せる機会があれば、次のことを試してみましょう。
- お湯を何杯か続けて出して、湯温の下がり方を見る
- お湯が出るスピードを確かめる
- 再加熱にかかる時間を実際に確認する
【公式情報】ウォータースタンドの公式サイトでは、ショールームのほか、家電量販店などの店舗やイベント会場で、操作や試飲ができると案内されています(ショールーム・店舗・展示情報)。予約制のショールームもあります。展示している機種は場所によって違うことがあるため、行く前に確認しましょう。
よくある質問

お湯の使い方と機種選びについて、よく聞かれる質問をまとめました。最終的な条件は、必ず各社の公式サイトと取扱説明書で確認してください。
Q. 小さいタンクのほうがすぐ適温になりますか?
A. 再加熱でタンク全体を温める時間は短いですが、1回使ったときの湯温の下がり幅は、小さいタンクのほうが大きくなります。少しずつ使う人には向きますが、続けて使う人は大きめのタンクが安心です。
Q. ヒーターのワット数が大きいほどよい機種ですか?
A. ワット数が大きいほど、お湯を温める時間は短くなります。ただし、タンクが大きいと、全体を温めるには時間がかかります。タンクの大きさと、ワット数の両方を見て選びましょう。
Q. ヒーターのワット数が大きいと電気代が高くなりますか?
A. ワット数が大きいだけでは、電気代は高くなりません。ワット数は「加熱の速さ」を表す数字で、同じ量のお湯を同じ温度にするのに必要な電気の量は、ほとんど変わらないためです。430Wは短い時間、350Wは長い時間、加熱するだけの違いです。電気代は、保温するタンクの大きさ、保温の温度、エコモードの使い方、各機種の保温材の種類などで変わります。
Q. 瞬間式は続けて使うときに向きませんか?
A. 使い方しだいです。再加熱の待ち時間はありませんが、出るスピードがゆっくりな機種があります。続けて何杯使うかを決めて、1杯あたりの時間をメーカーに確認しましょう。
Q. 再加熱モードは何のための機能ですか?
A. 約80〜85℃で保温されているお湯を、約90℃まで高める機能です。コーヒーやカップ麺に便利。機種によって、温度や加熱時間は違いますので、各機種の仕様を確認してください。
Q. ミルク作りに使えますか?
A. 湯温が足りるかを、必ず確認してください。ECOモード中や、たくさん使ったあとは、70℃を下回ることがあり、殺菌効果が不十分になる可能性があるので注意が必要です。粉ミルクの調乳は、70℃以上のお湯を使うことが推奨されています。温度と殺菌にかかる時間の関係や、調乳の注意点は、雑菌の記事で解説しています。使う機種の説明書とメーカーの案内に従ってください。
まとめ|結論をもう一度

ウォーターサーバーは、お湯の使い方で選ぶと失敗しにくくなります。少しずつなら小さめ、続けて使うなら大きめと再加熱、たっぷりなら大きいタンクとケトル、湯温を安定させたいなら瞬間式です。
- 少しずつ使う人は、小さめタンク
- 続けて使う人は、大きめタンクと再加熱の速さ
- たっぷり使う人は、大きいタンクとケトルの併用
- 待ち時間なし・湯温を安定させたい人は、瞬間式
- ワット数が大きいほど、お湯を温める時間は短い
- 連続して使ったときの湯温は、メーカーに確認
- できれば実機で、湯温の下がり方・出るスピード・再加熱の時間を試す(契約はその場でしない)







公式情報確認日:2026年10月17〜18日。料金・仕様は変更される場合があります。最新の内容は、各社の公式サイトと説明書でご確認ください。
まずは、続けて使うお湯の杯数を数えてみてください。そのうえで、気になる機種のメーカーに、連続して出したときの湯温と、戻るまでの時間を聞いてみましょう。ご家庭に合う1台が、きっと見つかります。ではまた。
Dr.ゴリポンのXでも、ウォーターサーバーの情報を発信しています。

