ウォーターサーバーから水が出ない・出が悪い!原因と対処法を元設計者が解説
はじめに
「ウォーターサーバーのレバーを押しても水が出ない…」
「なんだか出が悪くて、チョロチョロとしか出てこない…」
そんな経験はありませんか?
ウォーターサーバーのトラブルの中でも、水漏れと並んで多いのが、この「水が出ない・出が悪い」というトラブル。ですが安心してください。実は原因の多くは故障ではなく、ちょっとしたことで自分で直せるケースがほとんどです。
この記事では、ウォーターサーバーの設計に10年以上携わってきたDr.ゴリポンが「水が出ない・出が悪い」症状の原因と対処法を、内部構造の視点からわかりやすく解説します。
「水が出ない・出が悪い」よくある症状
ひとくちに「水が出ない」と言っても、症状はさまざまです。まずはご自身がどのタイプかをチェックしてみてください。
| 症状 | 考えられる主な原因 |
|---|---|
| まったく水が出ない | 水切れ・セット不良・チャイルドロック・停電・クリーニング中 |
| 出が悪い(チョロチョロ・勢いがない) | 内部漏れ・出水口の詰まり・エア噛み・凍結 |
| 冷水は出るがお湯が出ない(逆も) | 水切れ・温度設定・各タンクの不具合 |
| 出始めに「ゴボッ」と空気が混じる | エア噛み(空気の噛み込み) |
| 最初は出たのに途中で止まる | 水切れ・エア噛み・凍結 |
なぜ水が出なくなるのか?(構造から解説)
ウォーターサーバーの多くは、「ボトル → 本体内のタンク(冷水・温水)→ コック(出水口)」という順に水が流れる仕組みです。とくに重力を使ってボトルの水をタンクに落とす「重力式」が一般的。
つまり、この通り道のどこか一箇所でも「空気」「詰まり」「弁の不具合」があると、水はスムーズに出てこなくなるのです。逆に言えば、症状から「どこで止まっているか」を切り分ければ、原因はかなり絞り込めます。
まずは、ボトルからタンクに水が入る仕組みを説明します。

上の図は、ワンウェイタイプ(ボトルが柔らかいペットボトルのタイプ)のボトルからタンクに水を供給する仕組みです。
タンクに水が満たされてくるとフロート弁が受水棒をシールしてボトルから水の供給を停止します。

出水すると水位が減るので、フロート弁が下がってボトルの水が受水棒を介してタンクへ供給されます。この時、エアフィルタから空気を取り込みながら出水されます。

上の図は、リターナブルタイプ(ボトルが硬いタイプ)の構造図です。受水棒の底の位置まで水位がくるとボトルからの水の供給が停止します。よって、ワンウェイタイプと比較するとフロート弁がないシンプルな構造になります。

次にタンクと出水口の仕組みについて説明します。ボトルから入った水は、まずは冷水タンクに入ります。冷水タンクはセパレーターという部品で分離されており、セパレーターより下に冷却管が巻いてあり、冷却されるシステムになっています。セパレーターより上は冷えにくくなっていて、冷やされていない水が温水タンクに送られる仕組みになっています。
効率よく温水を作るために、常温水が温水タンクに供給される仕組みになっておるのじゃ。
主な原因と対処法
水が供給される仕組みが理解できたところで、ここからは、自分でできる対処法を原因別に解説します。上から順にチェックしていくのがおすすめです。
原因①:ボトルの水切れ・セット不良
もっとも多く、そして見落としがちなのがこれ。ボトルの残量が少ない、またはボトルが正しくセットされていないと、水はタンクに落ちません。
【対処法】まずはボトルの残量を確認。少なければ交換しましょう。交換直後は内部に空気がたまり、一時的に出が悪くなることがあります。その場合は数分待つと落ち着くことが多いです。ボトルをセットし直すときは、取扱説明書の手順どおり、しっかり奥まで差し込んでください。

タンク内の水が無くなってくると、温水から出水できなくなります。理由は、水位がセパレーターより下まで下がると、図のように温水出水口より上に水がない状態になるので、温水は出水できなくなります。一方、冷水出水口より上には水があるので、冷水は出水できます。
「冷水は出るのにおかしいなぁ?」と思った時はまずはボトルの水があるか確認してみるのじゃ!

ボトルの水が残っているのに出水できないケースがあります。これは、かなりのレアケースですが、受水棒に水の膜ができてボトルの水が落ちないことがあります。ボトルの水がかなり少ない時で、水の粘性が高くなる気温が低めの時に発生しやすい症状になります。対処方法としては、ボトルを揺らしてあげると水の膜が壊れてボトルの水が落ちていきます。頻発するようなら契約先のサポート窓口に相談することをオススメします。
原因②:エア噛み(空気の噛み込み)

特にウォーターサーバー設置時に起こりやすい症状で、内部の流路へ空気が抜けないと、その空気が“フタ”のようになって水の流れを止めてしまう現象です。「ゴボッ」という音や、チョロチョロとしか出ない症状の多くがこれです。
【対処法】連続でレバー操作をすると空気が抜けます。一般的に、通常通り水が出るまで温水のレバーを連続で操作した後に、通常通り水が出るまで冷水のレバーを連続操作すると空気の噛み込みはなくなります。尚、常温のレバーがある機種は同様に連続操作して、出水してください。
原因③:出水口・コックの詰まり(ミネラル結晶・異物)
長く使っていると、出水口の内部に水のミネラル分が結晶化して、流路が狭くなることがあります。「出が悪い」「勢いがない」ときの代表的な原因ですが発生頻度としてはレアケースです。
【対処法】出水口のノズル部分は、濡れたり乾いたりするのでミネラルが付着しやすく、インスタントコーヒーのはね返りなどが付着して異物が成長することがあります。取扱説明書に従ってノズル部分を取り外し、定期的に(1週間に1回程度がオススメ)洗浄してください。なお、出水口まわりは水漏れの原因にもなりやすい部分です。詳しくは出水口からの水漏れの記事もあわせてご覧ください。
長く使うとどうしてもミネラル分がどこかに溜まってしまうので、定期的にメンテナンスしてくれるウォーターサーバーを選ぶのも手じゃ
原因④:チャイルドロック・操作のミス
お湯側(場合によっては冷水側)には、安全のためチャイルドロックがかかっています。「お湯だけ出ない」ときは、ロックが解除されているか確認しましょう。
【対処法】機種により操作が異なります。ロックボタンの長押しや、出水ボタンとの同時押しなど、取扱説明書で解除方法を確認してください。
原因⑤:温度トラブル・凍結

レアケースですが、冷水の設定温度が低すぎたり、設置場所が寒すぎたりすると、タンク内の水が凍って冷水だけ出なくなることがあります(とくに冬場や、エアコンの風が直接当たる場所)
【対処法】冷水の温度変更ができる機種は、取扱説明書などで温度設定方法を確認して、温度を上げるか(弱冷モードなど)、必要なら電源を入れ直します。凍結が疑われる場合は、一度電源を切って自然に解けるのを待ちましょう。温度センサが故障して、冷凍機(コンプレッサー)が連続で運転しているケースもあるので、何度も起こるようであれば、契約先のサポート窓口に相談することをオススメします。
原因⑥:電源・停電
意外と多いのが、コンセントが抜けかかっている・停電後に復帰していないケース。とくに電子式(電磁弁で出水するタイプ)のウォーターサーバーは電源が入っていないと出水できません。
【対処法】電源プラグと本体スイッチを確認。停電があった場合は、再起動後にお湯が温まるまで時間がかかることも覚えておきましょう。
原因⑦:クリーニング機能が作動中
クリーニング機能が作動している間は、意図的に出水できなくしているケースが多いです。理由としては、温水を循環して配管や冷水タンククリーニングしているので、冷水を出水すると熱湯が出てくるからです。

【対処法】クリーニング機能が作動していないか確認してください。取扱説明書を確認して、自動で実施する場合は手動に切替えたり、あまり使用しない夜間などに作動させる設定にするのもオススメです。
温水循環でクリーニングしている機種一覧
| ブランド | 機種名 | 温水が循環する範囲 | 作動方式 | 作動周期の目安 | 所要時間・利用制限 |
|---|---|---|---|---|---|
| コスモウォーター | smartプラスNext | サーバー内部 | 自動 | 約48時間ごと | 約30分。作動中も一定量の冷水は使用可能。温水が一時的に約50℃まで下がる場合あり |
| フレシャス | Slat(スラット) | 配管、冷水・温水タンク | 自動。一部は手動起動も可能 | 配管循環は5日ごと、タンク・配管循環は30日ごと | 配管循環は約3分、タンク・配管循環は約100分。作動中は操作不可 |
| キララウォーター | スマートサーバー | 温水タンク、冷水タンク、配管 | 設定時刻に自動 | 1日1回 | 高温の熱水を約30分間循環。その後、冷水タンクを冷却 |
| うるのん | Grande | 主に冷水タンク | 手動 | 週1回が目安 | 温水は約2時間、冷水は約4時間使用不可 |
| アルピナウォーター | エコサーバー | サーバー内部 | 設定した日時に自動 | 1~7日間隔で設定可能。初期設定は7日ごと | 約3時間30分、冷水・温水ともに使用不可 |
| 信濃湧水 | エコサーバー | サーバー内部 | 設定した日時に自動 | 初回設置時に間隔を設定 | 約3時間30分、サーバーを使用不可 |
| ふじざくら命水 | PWD-460 | 冷水タンク、通水部 | 使用状況を学習して自動。手動起動も可能 | 7日に1回 | 約4時間、冷水・温水ともに使用不可。室温が高い場合は5時間を超えることあり |
| 富士の湧水 | PS-HM330DF/DT | サーバー内部 | 自動 | 週1回 | 公式資料では全体の所要時間を明記していない |
| Japanet Water | WFD-4010 | タンクを含むサーバー内部 | 暗闇を検知して自動。手動起動も可能 | 2週間ごと | 約4時間、冷水・温水ともに使用不可 |
原因⑧:内部漏れ・タンク内の弁・ポンプの故障(自分では直せないケース)
①〜⑦を試しても直らない場合は、内部の弁(バルブ)やポンプの故障が疑われます。とくに電子式(ポンプでくみ上げるタイプ)は、ポンプや電磁弁が壊れると水が出なくなります。

上記は一例ですが、フロート弁が壊れてボトルの水を止水できないケースです。冷水タンクが満水になり、エアフィルタ弁が閉じて空気が取り込めない状態となり、出水できなくなります。
【対処法】これは分解が必要で、自分で直すのは危険です。無理にいじらず、メーカーのサポートに連絡しましょう。
それでも直らないときは
上記をすべて試しても改善しないときは、故障の可能性が高いです。メーカーやレンタル会社のサポート窓口に、①型番 ②症状(どんなふうに出ないか) ③自分で試したことの3点を伝えるとスムーズです。保証期間内であれば、無償で交換・修理してもらえることも多いので、まずは確認しましょう。
構造的に「出が良い・詰まりにくい」ウォーターサーバー
そもそも流路がシンプルで、メンテナンスしやすい機種を選んでおくと、こうしたトラブルは起きにくくなります。設計者の視点で「構造的に安心」と感じるのは次の2機種です。
CreCla クリクラFit

このウォーターサーバーは、一番シンプルな構造ですが、ポンプを使っていないので故障のリスクも少なく、構造的には長年の実績があるのが特徴です。リターナブル方式なので、ワンウェイ方式と比較しても水が出ないというトラブルに巻き込まれにくいと言えます。

あと、やっぱり安心できるのは、1年に1回ウォーターサーバー交換をしてくれるところです。これにより、ミネラルなどの蓄積も防げるので、総合的にみても安心して使用できるウォーターサーバーのひとつと言えます。
1年に1回交換は間違いなく安心材料じゃ
アクアクララ アクアスリム

クリクラfitと同様に、こちらもリターナブル方式のウォーターサーバーです。
この機種のリリース時期は2016年頃のため、10年以上の実績があります。この機種も何度か内部を見たことがありますが、かなりシンプルな構造なので水が出ないといったリスクは低く、安心できる構造と言えます。
まとめ
「水が出ない・出が悪い」は、正しい知識があれば必要以上に怖がる必要はありません。多くは自分で対処できます。最後に症状別の対処法を表にまとめておきます。
| 症状 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| まったく出ない | 水切れ・セット不良・ロック・停電・クリーニング中 | 残量/セット/ロック/電源・機能確認 |
| 出が悪い | 出水口の詰まり・エア噛み | 出水口を洗浄・ボトル再セット |
| お湯/冷水だけ出ない | 残量・ロック・温度設定・凍結 | ロック解除・設定確認・電源入れ直し |
| 何をしても出ない | 弁・ポンプの故障 | メーカーに連絡 |
そして最大の予防策は、構造的にトラブルが起きにくい機種を選ぶこと。買い替え・乗り換えを検討中の方は、ぜひ流路のシンプルさにも注目してみてください。
この記事が少しでもみなさまのお役に立てれば嬉しいです。ではまた
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